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このお店の閉店は本当に悲しかった。
残念。
ご主人の奥様が体調を崩されて続けられなくなったようです。
ご主人と奥様とアルバイトの三人でやっていた小さなお店なので
しょうがないですね。
閉店は2008年2月29日。
僕の実家は長崎にある。
長崎はみなさんなんとなく想像できるように
海、山に囲まれて、はっきり言ってグルメ天国。
五島で育った僕としては美味しい魚を筆頭に
帰省したときの楽しみはお袋の料理と
他で食べられない「ウマカモン」を食べることにある。
この長崎での「ウマカモン」の最上位に輝いていたのが・・
・・・とら寿司。
長崎の浜の町アーケード街という中心街の
路地を入った地味な地味な通りにある小さな小さな寿司や。
でも、お寿司に関して言えば、天国でした!
自慢じゃないが、東京のかなりのレベルの寿司やにも
負けないというか、ぜんぜん凄い寿司を出す。
そりゃ、銀座の次郎とか、水谷とか、久兵衛とか、人形町の喜寿司とか。
江戸前の第一級の味と、まあ単純に比較できないことは分かっていますが、
でも比較したい数少ない寿司やだった。
スゴイかったなあ。
絶品打率は平均3割。
いい日に当たると5割。
これは相当。
上の日本の超一流のお寿司屋さんでも
絶品!と唸れるのは、まあ、10かん食べて1~2かん。
4かんもあれば凄いこと。
なのに長崎の田舎の寿司やが5割を超えることがある。
うに
鰆
本マグロ
鰺
鯖
穴子
クマエビ
平目
平貝
ほか色々(あ、思い出すだけで・・・!)
完全に地の物しか扱わないから、時化が続くと閉店。
その日に市場でご主人が仕入れてくる。
本マグロも五島の定置網に入ったもの。
穴子は有明。
分厚い脂ののった鯖は玄海。
以下同様。
お昼は11時半だったか12時かに開店。
夜は17時開店。
予約は受けないし、ネタは少ないので、
しっかり食べようと思ったら開店前に行って並ぶしかない。
開店すると7席しかないカウンターはすぐいっぱいになってしまう。
なおかつ昼は13時前後に。夜は、ほぼ18時前後には
ネタが切れると判断してのれんをおろしてしまう。
いつ開いてるんだよ!とお店をやっている時から
閉まっているので有名な寿司やだった。(笑)
だから、行くとなるとその日の朝、電話して確認して
1時間前に行って近くの街をブラブラ。
開店10分前には店先に陣取って、待つ。
入ると同時に着座。
固く絞った熱い熱いお絞りをつかって、
あとはネタをおすすめからツマミ、寿司を攻めていくのだ。
いままでのとら寿司生涯ベスト3は・・
1. 有明の穴子
立派な二等辺三角形の厚過ぎもせず、
薄くもない程よい身頃が
ややあっさり目の味付けで柔らかく煮含めてある。
その大きめの穴子にとろりとしたツメが
少し垂らしてあって。
小さめのシャリは完全に隠れているのだが、
これを頬張るとクリーミィな穴子が口の中で
ほぐれながら舌を直撃。
もう、なんというか腰が砕けそうな旨さだった。
呆然。
あんまり旨いと口がきけなくなる。
いまのところ、これを持って日本一の穴子体験と
僕は位置づけている。
いま、マジ。
一昨年、昨年と東京の名だたる寿司屋で
穴子を食べたが、このときの穴子を
超えるものはいまだ現れず。
誰かスゴイ穴子をご存じ出来たらご一報を。
2.鰆
変わり寿司。焼いた鰆にイタリアンみたいにネギ?
を入れたオイルが少し垂らしてある。
要は焼き魚寿司。他はふつうの握りだけど
このお寿司だけが技巧を凝らしたもの。
でも、美味しい。
焼き鯖のお寿司をもっと上品に薫り高くした感じ。
絶妙の焼き加減が素晴らしかった。
とら寿司、定番のお寿司。
3.ウニ
五島か、対馬か。
北海道の馬糞海胆などと違って、もっと礒の味が濃い。
濃厚で爽やかという二律背反を
オレンジ色の中に込めている。
小さめのシャリに海苔。
ウニを乗っけて頬張るとたまりません。
弟夫婦はこれが大好きだった。
日によっては物凄い絶句する旨さの時がある。
その他
いや、実に、ほんとにほとんどのネタが美味しい。
うれしいのは、これだけ美味しくてお酒を飲んでツマミも食べて
お腹いっぱいになって、ご予算は銀座の半分以下。
たまらないです。
たまらなっかったです。
毎日行きたかったですもん。
詳しく知りたい方は・・
山口瞳 「行きつけの店」 (新潮文庫) をどうそ。
ちなみに作家の遠藤周作さんも大変なご贔屓だったそうです。
日時: 2008年08月26日 00:39
カテゴリー: マボロシ食堂